ベトナムフェスタの翌週は、本物のベトナムへ。
ベトナムといえば、「ベトナムコーヒー」「フォー」「ベトナム戦争」「元フランス領」「底堅い経済成長」「やたらと単位が大きいベトナムドン」「華やかなアオザイ」「TPPの恩恵」「農業」「バイク」「暑い」・・。
色々なイメージがあったけれど、特筆すべきはなんてことはない、市場で果物を売っているおばちゃんやシクロ引きのおじちゃんの日常であるような気がする。
むわっとした空気の中、クラクションの飛び交うバイクにひかれないように道路の隅っこをてくてくと歩いて、地元の人たちの集まる市場に行ってみる。

Cho Binh Tayマーケット―ホーチミン最大の市場
鼻をつく臭い。狭い通路に飛び交う怒号。気怠そうに空を見つめる老人。カメラを向けると恥ずかしがりながらもポーズをとってくれる男の子たち。

人々でごった返すAn Dongマーケットの中
しっかりとここの人たちの生が根付いている。
「あなたがそこに非日常を感じるのは、そこに彼らの強い日常があるからだ」、とは最近心にストンときた誰かの言葉。
切り立った山間の美しい風景よりも、大通り沿いのブルックリンにあるようなカフェよりも、シンガポールのような夕景よりも、市場の中で路地に迷い込んだ瞬間と、バイクで地元民の合間を駆け抜けた瞬間が、何よりも冒険心を掻き立てる。
様々なものが静かに内在するベトナム。
そこで、ふつうのひとのふつうの日常の物語を、愛おしく思う。

ダラットーフランス時代の面影を残す美しい避暑地

道路の3分の1はバイク

シンガポールのような地区も
でも一個不満をあげるとすれば、この国の食べ物は、街中の屋台でもフォーも野菜も美味しいし、マンゴーやスイカなどの南国フルーツもとても美味しいのだけれど、市場で芸術的に積み上げられていたイチゴだけは実は苦くて美味しくないことを知っているから、ここに美味しいイチゴが並べば、もっと良いね。


市場のイチゴたち